2024年になりました。
将棋界では藤井竜王が8冠達成と前人未到の記録を打ち立て、日本中に将棋ブームが広がっています。
ソフト研究が主流の時代、プロ対局の戦型にも大きく変わってきています。
藤井竜王が得意とする戦法は「居飛車」です。
将棋の王道は、今や「居飛車」となっています。
しかし、ソフト研究ではまだ解明されていない?と見解も示される、
「振り飛車」でも沢山の棋士が活躍しております。
今回は振り飛車党の棋士でも、さらに戦型に分けて、おすすめの棋士をご紹介いたします。
是非、今後対局やyoutube、書籍などあれば、見てみてください。
当記事で戦型別のおすすめ棋士が分かれば、参考にする棋士が明確に分かり、好きな戦型をより深く集中的に学ぶことができます。
振り飛車 戦型別おすすめのプロ棋士
今回は以下の4つに分けてご紹介します。
- 四間飛車
- 三間飛車
- 中飛車
- 角交換振り飛車(向かい飛車)
そして戦型別の前に、まずは「振り飛車全戦型おすすめ棋士」が4名いますのでご紹介します。
※これから紹介する棋士の情報は、2023年4月現在のものです。
全戦型おすすめ棋士
藤井 猛 九段
藤井 猛 九段
(ふじい たけし)
1970年9月29日生まれ
順位戦:B級2組
タイトル:3期
棋戦優勝:8回
棋界最高峰のタイトル「竜王」を3期獲得した超一流棋士。
またこれまでになかった戦法や、指し手を生み出した名誉ある賞「升田幸三賞」に、2度も選ばれています。
ちなみに升田幸三賞に2度選ばれているのは、藤井 猛 九段と佐藤 康光 九段の二人のみです。
◆主な受賞歴
・升田幸三賞 受賞
1996年度:これまでの常識を覆す戦法「藤井システム」を生み出し受賞
2012年度:これまであった「角交換振り飛車」をより深く研究し確率したことを評価され受賞
その他、多数受賞歴あり。
久保 利明 九段
久保 利明 九段
(くぼ としあき)
1975年8月27日生まれ
順位戦:B級2組
タイトル:7期
棋戦優勝:6回
現役振り飛車党の中で、8大タイトル棋戦を最も獲得している、振り飛車党のドン。
「捌きのアーティスト」と言われるほど、とにかく振り飛車の理想ともいえる指し回しは棋界随一です。
また正反対にも聞こえる、「粘りのアーティスト」とも言われており、終盤の驚異的な粘りからの逆転勝ちも多く、数々の激戦を制してきたことでも有名です。
◆主な受賞歴
・2008年度
敢闘賞・最多対局賞・最多勝利賞・升田幸三賞
・2009年度
優秀棋士賞・最多対局賞・名局賞
その他、多数受賞歴あり。
鈴木 大介 九段
鈴木 大介 九段
(すずき だいすけ)
1974年7月11日生まれ
順位戦:B級2組
タイトル挑戦:2回
棋戦優勝:2回
攻める振り飛車として、豪快な指し回しで次々と強敵を撃破していった、振り飛車御三家の一人(藤井、久保、鈴木)。
特にゴキゲン中飛車や石田流(三間飛車)への飽くなき追及により、悪手とされていた指し手を見直し、必勝の戦法となるほどまで成長させました。
◆主な受賞歴
・1996年度
勝率第一位賞・連勝賞・新人賞
・1999年度
升田幸三賞 「新・石田流」を生み出し受賞
その他、多数受賞歴あり。
菅井 竜也 八段
菅井 竜也 八段
(すがい たつや)
1992年4月17日生まれ
順位戦:A級
タイトル:1期
棋戦優勝:4回
現振り飛車党棋士の中で唯一、棋界最高位である順位戦A級棋士。
まさに振り飛車党の若きエースです。(若頭とも呼ばれています)
「やんちゃ振り飛車」という通り名がある通り、独創的な指し回しと圧倒的な読みの力で、次々とトップ棋士達を撃破していきました。
あの藤井 聡太 竜王に、振り飛車党として始めて勝利したのも菅井 七段(当時)でした。
数々の「菅井流」「菅井新手」を生み出しています。
2023年4月には叡王戦と王将戦のタイトル挑戦も果しています。
◆主な受賞歴
・2014年度
勝率第一位賞・最多勝利賞・升田幸三賞
・2017年度
優秀棋士賞
その他、多数受賞歴あり。
ここからは戦型別となります。
四間飛車おすすめ棋士
井出 隼平 五段
井出 隼平 五段
(いで じゅんぺい)
1991年5月3日生まれ
順位戦:C級2組
棋戦優勝:1回
守備の要素が強かった四間飛車を、自ら積極的に動いていく革新的な四間飛車を指すことで、多く振り飛車党から注目されています。
◆主な受賞歴
・2016年度
加古川青流戦 優勝
三間飛車おすすめ棋士
西田 拓也 五段
西田 拓也 五段
(にしだ たくや)
1991年8月25日生まれ
順位戦:C級1組
四段昇段:2017年
守独自の研究手や大局感で、2020,21年で頭角を現している方です。
2020年全棋士参加の朝日杯オープンでは前年覇者の千田 七段、古豪の深浦 九段を破り、見事準決勝まで進みました。
今年度も勝率第4位、連勝数は藤井 聡太 竜王に次ぐ2位と好成績を収めています。
直近対局でも振り飛車党エースの菅井 八段を撃破しています。
◆主な受賞歴
・2017年
加古川青流戦 優勝
山本 博志 五段
山本 博志 五段
(やまもと ひろし)
1996年8月13日生まれ
順位戦:C級2組
四段昇段:2018年
守独自の研究手や大局感で、2020,21年で頭角を現している方です。
どんな相手にも三間飛車で勝負する、生粋の三間飛車専門の棋士です。
だからこそ三間飛車に探究心は棋界一です。
今年大注目の新人である伊藤 匠 五段にも得意の三間飛車で勝ちを収めています。
また2024年のABEMAトーナメントでは、初出場ながらA級棋士を次々撃破し、強烈な爪痕を残しました。
三間飛車を指している方には必見の棋士でしょう。
中飛車おすすめ棋士
北浜 健介 八段
北浜 健介 八段
(きたはま けんすけ)
1975年12月28日生まれ
順位戦:B級2組
四段昇段:1994年
居飛車党から中飛車専門へ転向した珍しい棋士です。
近年では中飛車を追求し、持ち味の攻めの鋭さと終盤力で活躍しています。
Abemaトーナメントでもトップ棋士を激戦の末、何度も倒しています。
中飛車の感覚と終盤への考え方は大変参考になります。
戸辺 誠 七段
戸辺 誠 七段
(とべ まこと)
1986年8月5日生まれ
順位戦:B級2組
四段昇段:2006年
「戸辺攻め」の愛称で知られている、超攻撃型の振り飛車党棋士です。
一見、無謀とも思える攻めも、独自の攻めを繋ぐ感覚で劣勢をひっくり返してきました。
近年ではゴキゲン中飛車を多く採用しており、中盤の攻めの入り方はとても参考になります。
「攻めの繋ぎ方」においては、絶対に取得したいテクニックの一つです。
現在はyoutube配信などもしているので、是非見てみてください。
◆主な受賞歴
・2009年度
新人賞
角交換振り飛車(向かい飛車)おすすめ棋士
佐藤 康光 九段
佐藤 康光 九段
(さとう やすみつ)
1969年10月1日生まれ
順位戦:B級1組
タイトル:13期
棋戦優勝:12回
元日本将棋連盟会長にして、タイトル13期を獲得している超大物です。
過去の戦歴を紹介するとキリがありませんので、今回はあくまで向かい飛車の棋士として紹介します。(怪物ですね)
向かい飛車を探求し、ダイレクト向かい飛車を生み出し、その年に最優秀棋士賞、升田幸三賞など数々の受賞を収めました。
他の棋士の度肝を抜く「新手」で、常に話題を提供しています。
直近の2021年11月末にもダイレクト向かい飛車からの「暴銀」という、とんでもない手を指し、話題になりました。
(ごめんなさい、発想が凄すぎて参考にならないかもしれません…)
◆主な受賞歴
・2006年度
最優秀棋士賞・最多対局賞・最多勝利賞・升田幸三賞
・2011年度
升田幸三賞
その他、多数受賞歴あり。
・2017年
日本将棋連盟会長 就任
黒沢 怜生 六段
黒沢 怜生 六段
(くろさわ れお)
1992年3月7日生まれ
順位戦:C級2組
四段昇段:2014年
2024年度成績が勝率7割近い、素晴らしい成績の棋士です。
直近でも8連勝と、勝ちを量産しています。
満遍なく振り飛車を指されますが、特に角交換振り飛車は切れ味、安定感ともに素晴らしいものがあります。
だいぶ相手に対策されているせいか、最近では見ることが珍しいですが、もし見ることが出来たら、是非じっくり研究してみると良いでしょう。
以上が戦型別のおすすめ棋士となります。
20代~50代まで幅広い世代がいますが、どの方も厳しいプロの世界で勝ち星を積み重ねている棋士です。
その他にも沢山の素晴らしい振り飛車棋士もいます。
今回紹介した人たちを筆頭に、これからも振り飛車党棋士を全力で応援していきましょう!
▼世代別おすすめ振り飛車棋士はこちら
・20代若手振り飛車党を全員まとめてみた
・30代の振り飛車党プロ棋士4名
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※最後に…私が毎日視聴している将棋対局youtubeチャンネルです。
改めて感謝を申し上げます。
徹底解説!将棋の定跡
https://www.youtube.com/channel/UCwNxufgy9QYZd0agIBLblDA
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