【おすすめ】藤井聡太三冠に勝った振り飛車を全対局まとめてみた

将棋

2021年現在、将棋界で19歳の棋士が一大旋風を起こしている。
その名も「藤井聡太三冠」です。

もはや、将棋好きだけでなく、一般の方にも知名度抜群の藤井 聡太三冠。
人気、実力とトップを走る彼が、どれだけ凄いのかはおおよそご存じだろう。

最多連勝 – 29連勝
勝率8割以上 – 4年連続
竜王戦ランキング戦優勝 – 5期連続
竜王戦ランキング戦決勝進出 – 5期連続
四段昇段後の最速九段昇段
最年少タイトル獲得
最年少八段昇段
最年少通算200勝
最年少タイトル防衛
最年少九段昇段
最年少三冠
etc…

もうあげたらキリがないほどの記録を打ち立てており、2021年現在も多数の記録に向かって勝ち星を積み上げています。

そんな藤井 聡太三冠に勝った「振り飛車」はあるのか?

皆さんご存じですか?

今回は、現在プロ棋士には少数派となった「振り飛車」が、藤井 聡太三冠を打ち破った全対局をご紹介します!(2021年9月現在)

是非、将棋好きで振り飛車党の方は、これを見て「まだ振り飛車だって戦える!」と勇気をもらってください。

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振り飛車が勝利した全対局

まず前提として、藤井 聡太三冠はプロ棋士になってから勝率は8割以上です。
これは全棋士の中でも唯一です。
(通常棋士は6~7割。7割でもとても優秀)

その為、そもそも負けた対局が少ないという事を念頭に置いてください。
※段位、タイトルは当時のものです。



2017年

2017年8月4日
第67期王将戦一次予選
▲菅井竜也七段 vs △藤井聡太四段
振り飛車戦型:先手中飛車

振り飛車を指したのは、2021年現在順位戦の最高位であるA級に在籍する菅井七段(当時)です。
先手中飛車から穴熊を組んでいきます。
対する藤井四段(当時)は、急戦で金銀を前線に繰り出し、中央に圧力をかけていく戦法をとりました。
中盤の大駒を取り合う局面では、藤井さんが穴熊迫っていきながらも、やや振り飛車有利で進んでいきました。
終盤では、4九飛車と絶対絶命に見える局面にも、菅井さんが冷静に対応。
そして藤井さんに決め手を与えないように、確実に迫っていきます。
最後は決定だとなる2五角が入って、藤井さん無念の投了となりました。

序盤から作戦勝ちを収めて、そのまま勝ち切る菅井さんの強さが光りました。

【棋譜】2017年8月4日第67期王将戦一次予選▲菅井竜也七段 vs △藤井聡太四段

菅井 竜也七段(当時)
※終局図
以下、七手詰めです。(解いてみましょう!)

  


  

2017年9月2日
第7期加古川青流戦トーナメント戦
▲井出隼平四段 vs △藤井聡太四段
振り飛車戦型:三間飛車

振り飛車を指したのは、生粋の振り飛車党の若手棋士である井出四段(当時)です。
戦型は井出さんが最も得意としている三間飛車でした。
対する藤井四段(当時)は、左美濃に組んで応戦。
中盤戦の駆け引きがとても難しい戦いになりました。

約100手までは一進一退でしたが、藤井さんが7九飛車と指した手が僅かに疑問手になり、徐々に振り飛車ペースになっていきました。

※7九飛が疑問手。以下、5一歩で崩しづらくなる。

その後、藤井さんは次々と怪しい手で揺さぶっていきましたが、
玉のコビンを狙った井出さんの攻めが見事に決まり、131手で見事投了に追い込みました。
井出さんの執念が見られた対局でした。

【棋譜】2017年9月2日 第7期加古川青流戦T ▲井出隼平四段 vs △藤井聡太四段

井出 隼平四段(当時)
※終局図

2018年

2018年7月15日
第68回NHK杯 1回戦
▲今泉健司四段 vs △藤井聡太七段
振り飛車戦型:ゴキゲン中飛車

振り飛車を指したのは、史上二人目の棋士編入試験よりプロ棋士になった今泉四段(当時)です。
ゴキゲン中飛車からガンガン攻めていく中飛車で、ギリギリの捌きを見せていきました。
金銀4枚の藤井さんの囲いに駒損覚悟で崩しに行くのが印象的でした。
そして相手の玉を裸にすることに成功。
中段玉をどう寄せていくのかがとても難しく、藤井さんも大駒でしっかり攻防に効かせていました。
しかし徐々に今泉さんのペーストなり、最後は再び玉を端に追いやり投了に持っていきました。
攻守が目まぐるしく変わる、160手の大激戦でした。

【棋譜】2018年7月15日第68回NHK杯 1回戦 ▲今泉健司四段 vs △藤井聡太七段

今泉 健司四段(当時)
※終局図

  


  

2018年9月3日
第44期棋王戦挑戦者決定トーナメント
▲菅井竜也王位 vs △藤井聡太七段
振り飛車戦型:ゴキゲン中飛車

振り飛車側は、約1年前にも快勝した菅井王位(当時)。
序盤から5筋、8筋で激しいぶつかり合いになります。
菅井さんが鮮やかに駒を捌くと、藤井さんも角を縦横無尽に使ってきます。
100手くらいまでは、やや振り飛車有利なものの、ほぼ互角で進行していきました。
しかし互いに相手玉付近に大駒が集まった117手目に、
菅井さんが指した1八玉が鮮やかな玉の早逃げとなり、リードを拡大していきました。
そこからは藤井さんの粘りを振りほどいて、2二角でゲームセット。
菅井さんの気づきずらい玉の早逃げが、本当に見事でした。

【棋譜】2018年9月3日 第44期棋王戦挑戦者決定T ▲菅井竜也王位 vs △藤井聡太七段

菅井 竜也王位(当時)
※終局図

2019年

2019年3月11日
第90期ヒューリック杯棋聖戦 二次予選
▲久保利明九段 vs △藤井聡太七段
振り飛車戦型:ノーマル四間飛車

振り飛車側は、当時順位戦A級の久保九段。
捌きのアーティストの異名を持ち、振り飛車党の党首ともいわれているトップ棋士です。
三手目端歩と早々とけん制する駒組みでスタートすると、ノーマル四間飛車に組みました。
藤井さんは端歩を受けた形の穴熊に進んでいきました。
しかし、穴熊の1二香を見て、すぐさま久保さんが仕掛けました。
以降、中盤はほぼ互角の形勢で進んでいきます。
そしてさすがは久保さん。
左辺を綺麗に捌いていきました。
そして終盤では二枚龍の形を作り、攻めのターンが回ってくるのをじっと待つ展開。
藤井さんが端歩から果敢に攻めていきました。
しかし途中わずかな緩手が出た途端、久保さんの猛攻が決まり見事勝ち切りました。

【棋譜】2019年3月11日第90期ヒューリック杯棋聖戦 二次予選 ▲久保利明九段 vs △藤井聡太七段

久保 利明九段
※終局図

  


  

2019年8月22日
第27期銀河戦決勝トーナメント 1回戦
▲藤井聡太七段 vs △久保利明九段
振り飛車戦型:角交換振り飛車

振り飛車側は、振り飛車党のドン久保九段です。
戦型は角交換振り飛車になりました。
(久保九段にしては珍しい)
銀冠に組んでから、後手番ながら久保さんから仕掛けていきました。
またしても角を巧みに使い、どんどん駒を捌いていきます。
藤井さんも攻めていきますが、銀冠と一段飛車がとても働いていて、
なかなか攻めあぐねていました。
そして藤井さんが玉頭から仕掛けていこうとしたタイミングで、
さらに踏み込んで玉を寄せにいきました。
しかし、藤井さんの粘りも凄く、玉を上部に逃がしていき、なんと三段目まで到達。
このまま入玉かと思われましたが、焦らず着実に玉の退路を封鎖していきました。
そして146手目の5五馬で投了となりました。
久保さんの完勝といった内容でした。

【棋譜】2019年8月22日第27期銀河戦決勝T 1回戦 ▲藤井聡太七段 vs △久保利明九段

※終局図。以下、5手詰めです(解いてみましょう!)

  


  

2019年8月25日
第69回NHK杯テレビ将棋トーナメント 2回戦
▲久保利明九段 vs △藤井聡太七段
振り飛車戦型:立石流四間飛車

振り飛車側は、またしても久保九段です。
戦型は四間飛車の中でも、立石流を採用しました。
NHK杯でテレビ放映だったのもあり、珍しい形を指したかもしれませんね。
端を攻めていく藤井さんに対し、久保さんは馬を作り駒得を狙った作戦に出ます。
しかし、中盤では藤井さんが4筋を巧みに攻めてると、形勢が傾いていきます。
終盤では、藤井さんが勝勢に近い形まで追い込まれました。
しかしここで秒読みで焦った藤井さんが悪手を指してしまいます。
その隙を見逃さず三枚の香車を武器に、端から一気に猛攻をしかけていきました。
最後は14手にも及ぶ藤井さんの王手ラッシュを掻い潜り、薄氷の勝利を手にしました。
まさに大逆転で振り飛車の勝利でした。
(久保さん流石でした)

【棋譜】2019年8月25日第69回NHK杯 2回戦 ▲久保利明九段 vs △藤井聡太七段

※終局図

2020年

2020年はなんと、、、公式戦で振り飛車が勝った対局はありませんでした。
藤井三冠流石と言ったところですね。

2021年

2021年9月現在、こちらもなんとまだ振り飛車の勝ちはありません。
振り飛車党としては、切ないです。

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まとめ

藤井 聡太三冠に勝利した振り飛車の対局は、なんと…

わずか「7局」でした!!

久保九段 3勝
菅井八段 2勝
井出五段 1勝
今泉五段 1勝

しかも、2020年1月~2021年9月現在まで、まだ振り飛車には負けなしという恐ろしい結果となっています。
前人未到の藤井三冠を応援していきたい気持ちと、振り飛車党が活躍してほしい気持ち。
正直複雑な心境です。
ですが、若い世代の棋士にまた振り飛車党が増え、戦法も見直されています。
まだまだこれから振り飛車の熱い戦いが観られそうです。

タイトル戦で藤井三冠と戦う事を楽しみしたいですね。
これからも振り飛車を応援していきましょう。



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